ドライアイとは、”涙の分泌が減る”、”涙の蒸発する量が多い”、”涙の安定性が悪い”、などにより涙が一定量以下になり目が乾いている状態です。これらにより目の表面が肌荒れのようになり、「目が乾く」だけではなく、「目が疲れる」、「目が痛い」、「目がゴロゴロする」、「目がショボショボする」、「目が充血する」、「朝起床したばかりの時が見づらい」などの症状も引き起こすことがあります。
環境、体調、涙の成分バランスの不良など、主に以下のようなことが考えられます。
私たちの目にとって、涙はとても大切な働きをしています。もし目から涙がなくなってしまうと、角膜はその透明性を維持できなくなり、目で物を見ることが難しくなってしまいます。涙の働きには、「 角膜の乾燥防止」、「角膜表面を鏡面に保つ」、「ゴミなどを洗い流す」、「酸素や栄養分などの運搬」、「細菌やウイルスなどの殺菌」など目にとって必要不可欠な役割があります。
涙は、油層・水層・ムコイド層から成り立つ3層構造になっています。
油層 涙の一番表面にある油の層で、まぶたとまつ毛のはえぎわにあるマイボーム腺から分泌され、その下にある涙の蒸発を防ぎます。 |
水層 一般的にいう”涙”、多くの栄養分や酸素を含み、主には運搬と角膜表面に円滑な鏡面を作る働きをしています。 |
ムコイド層 まぶたから分泌されるムチン(糖蛋白)によって角膜表面と水層(涙)をくっつける糊のような役目をしています。また、外部からの微生物に対する防御の働きもあります。 |
涙腺で作られた涙は、まばたきをするたびに一定量が目の表面へ送られ、眼全体を潤します。その後、わずかに蒸発しながら涙の排出口である涙点という穴を通して排出されます。涙点は目頭の上まぶたと下まぶたの内側にそれぞれあります。その涙点に栓をすることで涙が目の表面に留まるようにさせる治療法が、涙点プラグです。涙点プラグには、シリコーン製のプラグと、液状のコラーゲンプラグの2種類があります。
治療の費用は健康保険3割負担の場合で、シリコン製プラグが約1万円、液体コラーゲンプラグが約6,500円です。
シリコーン製プラグの直径は0.4〜1.1mmで、患者さんの涙点の大きさに合わせてサイズを選択して挿入します。麻酔をするので痛みもなく、外来で短時間で施術できます。定期検査で状態を確認し、涙がたくさんあふれてくるようであればプラグを数カ所抜くなどして調節もできます。
液状コラーゲンプラグ(キープティア)は、低温では液体ですが、注入してから15分ほどで体温によってゼリー状に固まり、涙点を塞ぎます。時間が経つにつれて少しずつ分解または排出されるので、3ヶ月程度効果が続きます。冬場の乾燥した時期だけプラグをしたい方などにおすすめです。
最近の研究によって、涙の成分と血清成分は非常に近いということが解ってきました。そこで重度のドライアイの方に対しては、自分の血液の一部を使用して目薬を作る血清点眼という治療方法を行っています。
他にも以下のようなドライアイの解決策があります。